● 驚異の自然を守る…♪
凡そ1,000万年前の氷河活動によって造られたヨセミテ渓谷は、
日本人観光客にも馴染み深いヨセミテ国立公園(カリフォルニア州)として、
年間400万人以上が訪れる、米国内でも「最も人気のある公園」のひとつとして知られている。
ヨセミテ観光の目玉は、なんといってもハーフドーム登山だろう。
私がハーフドームを知ったのは、アンセル・アダムス(Ansel Adams)の写真回顧展から。
畳(タタミ)ほどに大きく引き伸ばされた展示写真は、8×10の大型カメラで撮られたモノクローム。
静謐で精緻な「ファインプリント」の数々は、威容堂々として立派な偉容を誇っていた。
その余りある神々しさゆえに、私は全身から血の気が引くような驚きを覚えたものだ。
私は、それまで使っていた135・ポジフイルムから、ブロニュー・ポジフイルムへと切り替えた。
フイルム面積の大きさが持つ「凄まじい力」を知ってしまったからである。
とは言っても、現在の私は、既にフイルムを離れて、全てがデジタル撮影になってしまっているのだが!
大判カメラで『ヨセミテの光と影』を撮った写真の数々によって、
「ヨセミテを 今日ほど有名にしたのは、他ならぬアンセル・アダムスの写真だ」と言われて久しい。
登山家でもあった彼は、強く環境保護を訴えた。
『人手が入る前のアメリカの国立公園』を撮った彼の写真は、環境保護の世論形成の起爆剤となった。
氷河に削られて半球を縦に割ったように見える造詣から Half Dome(ハーフドーム)と名付けられた
海抜2,682mの花崗岩ドームは、『ヨセミテ渓谷の象徴』的な存在となった。
大きなひとつの岩のように見えるハーフドームだが、実際は岩が堆積したものであり、地盤は意外に
もろく、大雨の後には落石が頻発するという「危険な山」なのである。
一般的に、米国の国立公園では、たとえ危険な場所であっても柵などは設置されておらず、
自己責任での対応が求められるところが多いのだが、ハーフドームでは例外的に、南東の丸みの部分に
ケーブルを辿って登るケーブル・ルートが設置されている。
ケーブル・ルートは、日本の山の『鎖場(くさり ば)』を想定
すればよい。
それでも、例えば、北アルプスの剱岳(つるぎだけ)登頂の
一般道にある『カニのタテバイ』と比べれば、
もちろんのことだが、ハーフドーム登頂は数段易しい。
人気の高いハーフドームである。
ケーブル・ルート登山者は、増加の一途をたどった。
2009年には8万人を超えて、休日ともなれば1日の登頂者が
1,200人にも及んだ。
足場の悪い登山道が余りに混雑することが、
死亡事故を出すという最悪の事態となり、2010年から
『 事前申請と、週末と休日を対象に登山許可証の取得』が
義務付けられることになる: ケーブル登山制限
登山者は1日400人以下に制限され、アンセル・アダムスが提唱したヨセミテの環境保護精神は、今も、日々公園を守るパークレンジャー達の心の中に生きている!
日本アルプス(北アルプス)の剱岳は、今でも、登山制限が設けられていない。
剱岳での、ここ数年の滑落事故などの遭難者は、毎年100名前後!!
Sunday, November 6, 2011
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一番最後の写真は登山の交通渋滞ですね。
ReplyDelete富士山も同じような渋滞がおきてますね。(^_^;)
ハーフドーム・・・アンセル アダムスが撮ってるのを写真集でも見たことが無いと思います。
それにしても自然は時として人間を感動、恐怖、驚愕に変化させる物なんですね。
私がこれを見たらやはり血の気が引きそうです。
☆★☆ Tinyさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete早々のコメントに驚いています(*^^)v
富士山登山は(一般登山道では)、九十九折の登山道を、列をなして登りますね。
8合目あたりに岩が少し出てきますが、細かいガレ場を埃まみれになって登る“単調すぎる登山”。
誰が言ったのか、『一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿』…“魅力の少ない富士登山”であることを譬えているのですね(笑♪)
アンセル・アダムスの撮った“ハーフドーム”は極めて有名です。
緻密で稠密な写真は、観るものに神々しさ~さえ感じさせる、そんな写真です。
訪ねていただきありがとうございました。
ReplyDeleteX10は買って損の無いカメラだと思います。
ただし、私自身はほとんどコンパクトデジカメを使ったことがないので
他のコンデジとの比較対照は出来ませんが。
剣岳に登ったのはずいぶん前のことですが
カニの横ばいで足がすくんだ女性がいて
渋滞になったのを記憶しています。
正直、腹が立ちました(^^)
☆★☆よっちんさん…♪ ☆★☆
ReplyDeleteフイルムカメラの時代には“高級コンパクト”なるジャンルが有ったのですが、現在のデジタルの時代になって~はたしてどの機種が…と悩みは尽きません^_^;
X10、良さそうですねッ、そして大いに参考になりました、感謝です !(^^)!
広角から中望遠までの光学ズーム[F2.0~2.8]が付いているのも、良いですね。
むかし645のレンジファインダーを使っていましたら、ファインダーの件も安心です。
登山もなさるのですね\(^o^)/
剱岳は「カニの横ばい」、そして「カニの縦ばい」、鎖など登山道がキチンと整備されていても、余りに恐いところが多いですよね。
天候不順のときなどは、登頂を諦めて山小屋へ引き返すこともしばしば…でした。
はじめまして^^
ReplyDelete「空気色のアルバム」のaki と申します。
昨日は嬉しいメッセージを下さってありがとうございました(*'-'*)
思わず息を呑むような雄大な景色。
実際に目の前にしてみたいものです^^
2匹の猫さんと小さな世界に生きているので
憧ればかりで想像もつかないですが(笑)
アンセル・アダムスの写真大好きです。
ReplyDeleteスケールの違うアメリカの大自然に対峙して撮った作品は、
存在感があって、見た者の心にずっしり残りますね。
ハーフドーム、私も自分の目で見たくなりました^^
ウィキペディアの登山風景(行列)写真もすごいですね^^
はじめまして。
ReplyDelete先日は拙ブログにコメントをありがとうございました。
「Grayman」は何の意味なのかな・・・と不思議に思っていたら、ミヒャエル・エンデの小説からだったのですね。
偶然うちの娘の名前は「Momo」なんです。(笑)
カメラのことは全然分からないのですが、勉強もかねてまたお邪魔します~。
山はいいな・・・って思う気持ちが強い一方、ちょっと近づきがたいものが山にはありますよね。そこが海とは違うんだけれども、好きな人にはそこがたまらないんでしょうね。
ReplyDelete40を過ぎたあたりからそのことが私の中では動かし難い思いとなって・・・・
じゃあお前はどうなんだ…と聞かれたら・・・
山は・・・遠くで見るのが好きです・・・と答えるのかな。
最近ちょいと体力に自信がないし・・・
こんばんは
ReplyDeleteアンセル・アダムスのヨセミテ国立公園の写真見ましたよ
Graymanさんが言われることが決してオーバーでない素直な気持ちだと思います
あたしも同じように感じました
そしてGraymanさんがEOS5Dで撮られた写真もすばらしく
空気感が伝わってきます
以前はブローニーで撮られていたそうですが、
また、撮って見たいと思いませんか?
Graymanさん~こんにちは~♪(=^^=)
ReplyDeleteカメラの事は全然無知なnekoですけど
このお写真迫力があって凄い!!それに不思議だぁ~♪
なんかドキドキしちゃいます~♪(*^▽^*)
それに人の行列にもビックリ!!
世界には色んな山が有るんですね~♪
↓今日は素敵なGraymanさんも見れたし最高かも~♪
いつもコメントありがとうね~感謝ですよん(^_^)vブイ♪
こんばんは
ReplyDeleteアンセル・アダムスの写真、実は見たことなくて。検索して初めて見てみました。名前は何度も目にはしてたのですが。
ぜひ、大きなサイズで見たいですねー。
グレイマンさんが撮られたハーフドームも大きなサイズで見たいです^^
グレイマンさんはかつて中判カメラをお使いだったのですね。
わたしもフィルムカメラにとても興味があるのですが、やはりデジタルの便利さに負けてしまいます。
お久しぶりです。すっかりご無沙汰しています。
ReplyDeleteブログを休んでリフレッシュしました♪
ハーフドーム大きいんでしょうね。写真から迫力が
伝わってきました。それにしても長蛇の列です。
スマートホンを楽しんでいるんですね。僕も使い始めて
ブログ休止中はパソコンの電源入れる回数が減りました。
写真に関しては僕の機種はどうも気に入らなくて未だに
デジタルカメラで首を絞めています。コンパクトの時代が
長かったので今になってファインダーを覗くスタイルが
愉しくて仕方ないです。フリッカーがアイフォンで
いっぱいなのも時代ですね。僕はもしアイフォンを
購入してもフリッカーにはきっとアップしないです。
ではまた♪
Graymanさん、こんばんは。
ReplyDelete今年も残りあと1日となってしまいましたね。
今年はブログのみならず
Twitterでもおつきあいがひろがりましたね。
ほんとうにありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。
☆★☆ Akiさん…♪ ☆★☆
ReplyDeleteコメントに感謝申します。
そして返信が、遅れに遅れましたことに陳謝致します。
これからもよろしくお願い致します。
我が家にも『我が家の庭に、迷い込んで来てくれたネコ・Miroちゃん』がいます。
迷い込んでくれた日以来、Miroちゃんは我が家のアイドルになりました。
☆★☆ バジリコさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete返信が、3ヶ月以上遅れましたことに陳謝致します。
アンセル・アダムスの写真回顧展を観た時は、本当に驚きました。
「モノクロームってのは、カラー以上に緻密に写る」ことを知ったのも、実はその時でした。
でも私はその時にはどっぷりとカラー写真の世界に浸っていましたから~。
いまさらモノクロームに宗旨替えはできないと思って~(笑♪)
アンセルの撮ったヨセミテは最高ですね。
彼はヨセミテに特別な思い入れがあったようです。
彼はヨセミテに来て、後に妻となるバージニア・ベストと出会ったのです。
☆★☆ Coxさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete返信が3ヶ月以上遅れてしまいましたが、これからも宜しくお願い致します。
娘さんのお名前がモモさんですか、とても親近感が湧いてきます!(^^)!
一応はPhoto-essay(≒写真随筆)のブログを名乗っていますが、内容は雑多です。
「記事更新は月に最低1度は~」と思っていますが、仕事が忙しくなると無断で休止状態に~^_^;
宜しくお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
☆★☆ Gatayanさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete返信コメントが、遅れに遅れましたこと、先ずもってお詫びいたします。
gatayanさんの「大和の地散策」も、ある意味では山行きなのかも知れません。
最近の山は登山道がとても立派に整備されています。
例えば西穂高、剱岳、、、、等を除けば、危ないところは無いと考えて良いと思います。
登山の装備も著しく発達しました。
中高年でも雲上散歩が容易にできる時代なのです。
☆★☆ Yutaさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete3ヶ月以上も間、返信コメントが滞っていたことに、先ずもってお詫び申します。
アンセルの写真展を観られたのですね。
「同じように感じられた」とのこと、何とも嬉しい限りです!(^^)!
フイルム用の機材の大半は、始末してしまいましたが、ゼンザブロニカの645(単焦点レンズ2本)、フジフイルムのGA645Wiだけは今でも持っています。
「この2機を使って、幾つかの賞をとった」そんな、つかの間の栄光の記憶とでも言うか、売却する気にはなれなかったからです(笑♪)
それでも、何れの日にか、時間ができましたら、ゆっくりと645お供のフイルム写真散歩を楽しみたいと思っています。
☆★☆ Rainbow of Dreamさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete私も今更デジタルには戻れません。
でもリタイア後は、またブロニューフイルムに戻るかも知れません。
そのために645カメラ2台は、売らずに、大切に保存しています。
アンセル・アダムスのファイン・プリントは、写真を超越した何かを感じさせてくれます。
Rainbow Of Dreamさんには機会がありましたら、是非いちど観ていただきたいと思います。
☆★☆ Schopさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete写真は、例え、ミラーレス機が流行してきても、従来どおりのデジタル一眼に勝るものは無いと思います。
常に手元に置いて、手軽に即時に写真を撮るとるためには、スマホかコンパクトデジカメかも知れませんが、各種の利便性を総合的に考えると、やはりデジタル一眼に落ち着くのだと思います。
そして根本は、『いま手元に在るカメラが一番である』という考えではないでしょうか。
Schopさん、リフレッシュは正解だったのですね!(^^)!
私は身勝手にも、忙しい時は、勝手にブログを休止してしまいます(スミマセンm(__)m)
☆★☆ ニーナさん…♪ ☆★☆
ReplyDelete長らく、身勝手に、ブログを休止していました。
お久しぶりです。
ニーナさんは、コメント欄を開かずに、ツイッターでのつぶやきに連動されたのですね。
遅くなりましたが、本年も何卒よろしくお願い致します。
☆★☆ Sixtupo_nekoさん…♪ ☆★☆
ReplyDeletenekoさんからいただいたコメントが「スパムホルダー」に落とされていました。
いま気付いて、ようやく回復させました。申し訳ありませんでしたm(__)m
日本の山の「四季の移ろい」は最高ですね(^^♪
外国の山には、日本にはない迫力と珍しさを持つものが少なくありません。
危険な山や、恐い山は敬遠されるのが当然です。
我々は山登りのために其の地に出かけているのではなく、仕事のために出かけて行って
息抜きに山登りするのですから…(#^.^#)
その意味でハーフドームは登るに値する山でした(^_-)-☆
なにせ写真の歴史に名を残すアンセルアダムスゆかりの山ですから\(^o^)/